COLUMN

【実話】仕事のトークのBotを、AIの「仮想秘書」にした話

【実話】仕事のトークのBotを、AIの「仮想秘書」にした話

前に、「仕事のトークに送るだけで、AIが片付ける社内Bot」の話を書きました。

請求書を作る、資料を送る、タスクにする。
トークで頼むと、AIが片付けて結果を返してくれる仕組みです。

ただ、使っているうちに気づいたことがあります。

頼んだときだけ動くのは、まだ「便利な道具」なんです。

秘書は、頼まれる前に声をかけてくれます。
「今日はこの予定です」「この件、止まっていますよ」と。

今は、同じBotにいくつか仕事を足して、仮想の秘書として使っています。

「秘書って、具体的に何をしてくれるの?」
「1人の会社でも、そこまで要る?」

と思った方に向けて、実際にやっていることをそのまま書きます。

秘書にしている仕事は、4つ

前回のタスク作りに加えて、今はこの4つを任せています。

  1. 毎朝8時に、今日の段取りを送ってくる
  2. トークで頼むと、カレンダーに予定を入れる・変える
  3. 「記録:」と送ると、気づきを書きためておく
  4. 月末に、請求書と経費のまとめを送ってくる(月末の分はこれから)
秘書の仕事

ポイントは、新しいアプリを1つも増やしていないことです。
入口は今も、いつも開いている仕事のトーク(LINE WORKS)だけです。

順番に書きます。

1. 毎朝8時、今日の段取りが届く

朝8時になると、Botからこんなメッセージが届きます。

  • 今日の予定(カレンダーから)
  • 今日が期日のタスク
  • 止まっているタスク(期日を過ぎたもの・期日なしで7日動いていないもの)
  • 3日以内に期日のタスク
  • 昨日頼んだことの結果
画面イメージ 朝8時の段取り連絡

1人で会社をやっていると、一番こわいのは「忘れていたことに、あとで気づく」ことです。

なので、特に入れてよかったのは「止まっているタスク」です。
期日を過ぎたものだけでなく、期日を決めずに放ってあるものも拾ってくれます。

ちなみに、この朝の連絡はAIに書かせていません。
タスクとカレンダーを読んで、決まった計算で並べているだけです。
毎朝同じ形で届くので、上から読むだけで済みます。

2. 「予定入れて」で、カレンダーに入る

トークに、ふつうの文章で送ります。

「20日14時から〇〇さんと打合せ入れて」

すると、AI(Claude)が文章を読んで、カレンダーに予定を入れて、日時と件名を返してきます。

画面イメージ カレンダーに予定を入れてもらう

「20日の打合せを15時に変えて」のような変更もできます。

ここで決めたルールは、2つです。

  • 変える・消すのは、対象の予定が1件に決まったときだけ。候補が複数あれば、一覧を返して聞いてくる
  • 消すのは、「消して」「キャンセル」とはっきり書いたときだけ

予定を勝手に消されるのが、秘書に任せて一番困ることだからです。

3. 「記録:」と送ると、気づきを書きためる

仕事をしていると、「これは記事に書けそう」という気づきが出てきます。
でも、その場でメモ帳を開くのは面倒です。

なので、トークに「記録:」から始めて送るだけにしました。

画面イメージ 気づきを記録する

送った言葉は、言い換えずにそのまま保存されます。
ここはAIを通していません。その場で「残しました」と返ってきます。

たまった記録は、毎朝の記事づくりのネタになります。
実は、この記事のネタも、書きためておいた自分のメモです。

4. 月末に、請求書と経費のまとめが届く

月末の18時に、その月にBotで作った請求書の一覧・入金予定・経費の一覧をPDFにして送ってくるようにしてあります。
経費の一覧は、表計算で開けるファイルも一緒に届きます。

画面イメージ 月末のまとめ

まだ月末が来ていないので、届くのはこれからです。

ここで正直に書いておくと、入金されたかどうかは、このBotでは確かめていません。
なので、PDFにも「入金されたかどうかは確かめていません。通帳・ネットバンキングと突き合わせてください」と書くようにしました。
わからないことを、わかったように見せないためです。

秘書に任せるときに、先に決めたこと

LINE WORKSのBotの設定で、タスク・カレンダーなどの権限をオンにしています。
権限を広げるほど、できることは増えます。
そのぶん、AIに渡す手順書に、こう書いています。

  • カレンダーは、自分のものだけ
  • 送り先は、頼んだ本人だけ
  • 消すのは、はっきり頼まれたときだけ
  • 迷ったら、作らずに聞き返す

権限は「できること」、手順書は「やっていいこと」。
この2つはセットで決めています。

ハマったところ・先に手を打ったところ

正直、すんなりとはいきませんでした。

1つ目は、タスクを作る権限です。
最初はBotの権限だけでタスクを作ろうとしたら、断られて動きませんでした。
タスクは、自分のアカウントで1回だけ「許可」をする形に変えて、動くようになりました。
ここは、1回動かして、止まったところを直しました。

2つ目は、ハマる前に手を打ったところです。
この仕組みは自分のPCで動いているので、朝8時にPCが止まっていると送れません。
なので最初から、PCが動き出したら昼12時までは後から送るようにしてあります。

もし、別のやり方をしていたら

予定管理のアプリ、タスクのアプリ、メモのアプリ。
それぞれ便利なものを入れていたら、たぶん開く画面が3つ増えて、そのうち見なくなっていたと思います。

秘書の価値は、1つ1つの機能より、「1か所で全部わかる」ことでした。
だから、新しい画面は作らず、いつものトークに集めています。

明日からやるなら

自社で、この4つを紙に書き出してみてください。

  1. 毎朝、最初に確かめていることは何か(予定・期日・昨日の結果など)
  2. 「忘れていて、あとで気づいた」ことが一番多いのは何か
  3. その連絡を、どの画面で受け取りたいか(トーク・メールなど)
  4. 秘書に「やってはいけないこと」は何か(消す・送る・決める)
明日からやるなら

1と2が、朝の連絡に入れる中身です。
3は、新しい画面を増やさない方が続きます。
4を先に決めておくと、権限を広げても怖くありません。

頼んだら動くのが道具で、頼む前に声をかけてくれるのが秘書。
自分の会社では、この差をトーク1つで埋めています。